
「仏教」と聞くと、難しそう・敷居が高い・お葬式のイメージ…そんなふうに思っていた私が、まさか仏教に興味を持つ日が来るなんて思ってもみませんでした。
きっかけは、とあるラブコメ4コマ漫画。
タイトルは『ぶっカフェ!』。
X(旧Twitter)の「ツイ4」で、なんと全話無料で拝読できます。ありがたや…。
漫画『ぶっカフェ』ってどんな話?
主人公は、破壊神と呼ばれるほどのドジっ子・女子大生ルリ。
バイト先は、なんとお坊さんが営む喫茶店。
店長は堅物で、他にはチャラいイケメン(女装に目覚める?)、ミステリアスな美青年(年齢不詳)…という、ずるいくらい魅力的な僧侶たちとの日々が誠に尊い。
☑ 優しさが溢れている
☑ ギャグのキレ味
☑ 何十回見ても泣ける
☑ 仏教の言葉が沁みる
ルリちゃんは失敗ばかりですが、誰よりも明るく、ひたむきで、優しい心を持っています。
そんなルリちゃんに訪れる恋。どう見ても両想い!!!!!付き合っちゃえよ!!!!!早く幸せになれよオ!!!!!!
……と思ってたのに。思ってたのに!!!!!
過去に、家族の期待に応えられなかった経験から、今でも自分を責め続けているルリちゃん。思わぬ悲しい展開に、感情はジェットコースターのように揺さぶられます。
それでも、今まで学んできた仏教の教えや気づきが、ルリちゃんを少しずつ支えていって……。
もう是非、是非本編をご覧ください。
キャラクター一人ひとりが本当に愛しい。レンさんの世界一ウザいハ行を見て欲しい。最高の禅デレを見て欲しい。
にわかだけど、仏教を学びたくなった

私はこの作品を読んで、仏教の言葉や考え方に「リアル」を感じました。
決して説教くさくなく、押し付けがましくなく、優しい語り口で自然と伝わってくる――そんな空気が『ぶっカフェ』にはあります。
以下、作中に出てきたありがたい言葉を、私なりの解釈も交えてご紹介します。
無常を観ずるは菩提心の一なり
これは「無常(死)」に真正面から向き合うことが幸せに生きるための第一歩という意味でね。
命には限りがある みんな頭では理解してるけど 他人が死んでも自分とその周りだけはまだまだ先のことだと目をそらして生きている 。
そうすると、毎日生きていることが当たり前に思えてくる。でも俺は「明日も一緒にいられる」 を信じていた人の葬儀で思ったよ 。ああ…実際には死ぬ方が必然で今生きていることが偶然の積み重ねなんだな…って───ぶっカフェ!➀118ページ
「無常」とは、すべてのものは常に移り変わるという仏教の基本的な考え方。
作中では、愛する人の死を通して「生きていることの奇跡」に気づくという、静かで重たいシーンが描かれています。
私たちはつい、「明日も一緒にいられる」と信じて生きているけれど、実際にはそれが“当たり前”ではない。
この言葉に触れたとき、「今日、子どもに優しくできたかな」と自分をふり返るきっかけにもなりました。
喫茶去(きっさこ)
この言葉には、相手が誰であれ、分け隔てなく接する大切さが込められています。
私たちはつい、「この人は味方か?敵か?」「得か?損か?」で人を判断しがちですが、仏教の視点ではもっと根源的に“命と命”として向き合います。
ちなみにこの「喫茶去」、実際の禅寺ではおもてなしの精神として掲げられていることも。
即今・当処・自己
変えれるのは今・ここ・自分だけ 過去や未来や他人はどうにもならない 今 この瞬間の自分がどう受け止めどうしたいかと向き合うんですね
───ぶっカフェ!➁102ページ
これは禅の考え方の一つ。
「過去」も「未来」も「他人」もコントロールできないからこそ、「この瞬間の自分」に集中する。
子育てや主婦業に追われていると、どうしても「あの時こうしておけば」「あの人がもっと分かってくれたら」と思ってしまうけれど…
結局のところ、今この瞬間の自分がどう感じて、どう行動するか。そこにしか自由はない。
この言葉には、何度も助けられています。
如実知自心(にょじつちじしん)
飾ることなく、偽ることなく他人に支配されることなく自分はどう思いどうしたいのか、隠した本当の気持ちに寄り添うとき、もっと肩の力を抜いて幸せに生きられることに気づくでしょう
───ぶっカフェ!③32ページ
自分の心を飾らず、偽らずに、そのまま観察してみる――
これは言葉で言うよりずっと難しいことです。
でも、「私は本当は何がしたいのか」「どこがつらいのか」と静かに見つめる時間をもつだけで、不思議と気持ちが軽くなることもあります。
無理して元気なふりをするのをやめてみる。
「今日は疲れてるんだな」と、自分にお茶を淹れるように、いたわる。
それもまた、大切な修行かもしれません。
三輪空(さんりんくう)
これは布施の際の心がけで、
①私が ②誰に ③何をした――この3つを意識の外に置くのが理想とされています。
これ、育児にもすごく当てはまるんです。
つい「こんなにやってるのに!」「なんで気づいてくれないの?」って思ってしまうこともあるけれど、
「見返りを求めない愛」って、結局は自分自身をも楽にしてくれる。
知らなかった仏教豆知識
☑ “方便”は悪い意味ではない!
仏教では「相手に合わせた教え方・伝え方」という意味で使われます。嘘やごまかしではなく、あくまで“救うための工夫”という考え。
☑ “縁起”とはラッキーのことではない!
「すべての物事には原因と条件がある」という因果の理。つまり「なんで私だけが…」と落ち込んだときこそ、「その原因はどこから?」と見つめ直せるヒントになるのです。
まとめ:笑って泣いて、ちょっと賢くなるラブコメ
『ぶっカフェ』を読むと、日常がちょっと優しく見えてきます。
仏教のことはまだまだ勉強中だけど、「今この瞬間を大切にしよう」と思えるだけでも、人生は少し違って見える。
にわかでもいい。
楽しみながら、自分なりの“仏道”を見つけていきたいです。
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