ここは、筆者の落書きや、本からインスピレーションを受けたイラストを置いていく場所です。
装丁や物語のワンシーン、心に残った引用文など、本の世界をイメージしながら描いています。

わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)
心象スケツチ 春と修羅 宮沢賢治

でんしんばしらは、みんなまっすぐを向いて、すまし込んで通り過ぎながら一きわ声をはりあげて、「ドッテテドッテテ、ドッテテ でんしんばしらのぐんたいのその名せかいにとどろけり。と叫びました。
月夜のでんしんばしら 宮沢賢治

「ハルレヤハルレヤ。」
明るくたのしくみんなの声はひびきみんなはそのそらの遠くからつめたいそらの遠くからすきとおった何とも云えずさわやかなラッパの声をききました。
そしてたくさんのシグナルや電燈の灯のなかを汽車はだんだんゆるやかになりとうとう十字架のちょうどま向いに行ってすっかりとまりました。
銀河鉄道の夜 宮沢賢治

「料理はもうすぐできます。十五分とお待たせはいたしません。すぐたべられます。早くあなたの頭に瓶びんの中の香水をよく振りかけてください。」そして戸の前には金ピカの香水の瓶が置いてありました。
注文の多い料理店 宮沢賢治